『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』作者「ママチャリ」の不定期コラム 第二弾
前回は、三菱の1979年の小雑誌『アウトドアブック』より、昭和のキャンプ事情の触り部分だけをお届けしましたが、この本は文化放送の監修で、それぞれの記事を書いている人は当時をときめく著名な人ばかり。
お風呂の記事こそ、かなり乱暴でしたが、全体としては至って真面目な教本です。
それでも、35年の隔たりは、感じざるをえません。
今回は、昭和のアウトドア食事事情に迫ってみましょう。
かなりワイルドな昭和のギャルズライフ
三菱の『アウトドアブック』は、各カテゴリーごとに専門家が執筆しており、料理の部分については、女性ライターの方が担当されています。
職業は「ギャルズライフアドバイザー」だそうで‥‥‥この辺りから、ほのかに昭和の「怪しさ」が漂ってはいるのですが。Googleのサジェストで、『ギャルズライフ』まで入れると出て来るので、ある程度、認知度のある職業のようです。
さて、ギャルズライフアドバイザーの奨めるアウトドアの食事ですが。最初のタイトルが『野外にはふんだんに採集物がある!』と、冒頭からぶっ飛ばしてくれます。
「青空の下でカレーを作ろう〜」とかのヌルいことは言いません。
食い物は、あくまでその場で採集!
当時のギャルズのライフは、かなりワイルドだったことが分かりますね。
トリカブトに注意!
内容は、季節ごとに分かれていて、最初は山菜。この辺りはいいですね。
ツクシ、ふきのとう、セリ、ナズナ、生えてるもんは、みんな食い物です。アウトドアですから。
もちろん、毒のある物にあたるといけませんから、ドクウツギとか、トリカブトとか図解入りで載っています。
いや〜、親切!と言うか、トリカブトとか死んじゃいますから。そこまでして野の植物を食べる必要があるのか?というほのかな疑問が・・・。なにもカレー作ればいいのでは?
いやいや、そんなのは「アウトドア」では邪道なのです!
カタツムリだって食う。蝉も食う
途中、話題は山菜から、昆虫採集に移ります。
カブトムシ、カミキリ、クワガタetc‥、現代だって昆虫採集は、子供たちのキャンプの楽しみのひとつ。
・・・ですが、ギャルズライフは、ここから違うのです。
『いざとなったら昆虫も食える!』
どういうタイミングで、オートキャンプが「いざ」となるかは不明ですが、ハチノコやカワゲラ、イナゴなどが郷土料理としてあることから、「食べられる」ことを主張。
ギャルズライフアドバイザーは、そこにとどまりません。
「トンボは羽をとって揚げると珍味だ」
あまり食いごたえがなさそうですが・・・
現代のアウトドア本にあるでしょうか?トンボの食べ方。
さらには、蝉の唐揚げ。
ついには、カタツムリに至っては、レシピまでついてます。
美味しいそうですよ?カタツムリ。
ヘビも食う!
いや。これを読んでいると、いかに現代のアウトドアやオートキャンプが甘っちょろいか猛省させられます。
これぞアウトドアというものでしょう!
でも、個人的にはカレーでいいなぁ・・・・
次回は、同ギャルズライフアドバイザーによる「蛇の食べ方」!