採れたて生ひじきの調理方法と乾燥保存方法

ひじき の旬は3~4月で、主な産地は房総半島、紀伊半島、瀬戸内海沿岸、九州地方です。

特に房総半島の小湊のものは柔らかくて良質です。

満潮時には水没し、干潮時には顔を出す潮間帯とよばれる海域の岩にへばりつくようにして根を張ります。

植物が育つように垂直に茎を伸ばし、ほぼ互い違いに枝と米粒型の葉を出します。

姿を現す干潮時に草を刈るように鎌で刈って収穫します。

茎と枝の部分は長ひじき、葉の部分は芽ひじき、姫ひじきなどと呼ばれます。

スーパーなどで売られている乾ひじきは、生のひじきを長時間蒸すか茹でるかしたあと乾燥させたもので、生ひじきとして売られているものも乾ひじきを水で戻したものです。

自生しているひじきや収穫直後の未加工ものは明るい赤茶色で、体長は50cm~1mにもなり一目ではひじきとわからないほどです。

生のものと乾燥させた物とで見た目がこれほどかけ離れているものも珍しいかもしれません。

自由に採っていいように見えるかもしれませんが磯のひじきには漁業権が設定されていることがあるので勝手に収穫しないように気をつけてください。

採れたて生ひじきの調理方法と乾燥保存方法

ひじきの栄養

カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、リン、ヨウ素、食物繊維を豊富に含みます。

特に骨を丈夫にするカルシウムは海藻の中では最も多く、貧血予防に必要な鉄も豊富です。

便秘の解消に役立つ食物繊維はゴボウの約5倍含んでいます。


採れたてひじきの注意点 

ひじきは生のままでは硬くて食べられません。

また、有毒性が認められている無機ヒ素が大量に含まれているため、そのまま食べるのは健康上も好ましくありません。

無機ヒ素は短期間に大量に摂取すると発熱、嘔吐、下痢、興奮、脱毛といった中毒症状が出るほか、長期にわたって過剰摂取を続けると発がんの可能性が指摘されています。

しかし、無機ヒ素は水溶性なので水に浸けたり茹でこぼしたりすることで大幅に含有量を減らすことができるので必要以上に怖がることはありません。

乾ひじきは製造工程でかなりのヒ素が失われているうえに戻すときに水に浸けるので常識の範囲で食べている分には問題ありません。

ただし戻し汁は使わずに捨てましょう。


採れたてひじきの調理法

1.収穫したひじきは水洗いして細かなごみや汚れを落とした後、たっぷりの水に30分以上浸けておきます。

2.明らかに傷んでいる所は取り除き、たっぷりの湯で5分ほど茹でます。鮮やかな緑色に変わります。

ポキポキとした歯触りを楽しみたいならここで冷水に取って色止めし、生姜醤油やドレッシングをかけていただきます。ヒ素の残留が気になるならさらに茹でこぼします。発色を良くするために湯に重曹や酢を加えてもいいですがなくても問題ありません。

3.ざるに上げて色の悪い部分は取り除き、もう一度沸騰した湯に入れて弱火で20分~1時間ほど茹でます。短時間で茹で上げたものは適度な歯ごたえと香りを楽しむため、サラダや和え物にします。スライスした玉ねぎを水にさらし、冷めたひじきと和えて酢醤油をかけたり、すりおろしたにんにくとたっぷりの擦り胡麻、醤油少々とマヨネーズで和えたり、白和えにしたりしても美味しいです。

4.暗褐色になったらざるに上げて水気を切ります。この後完全に乾燥するまで3~4日天日で干せば乾ひじきができあがり、1年くらい保存できます。干している間にだんだん黒く変色して見慣れた姿になります。

5・軟らかく茹でたものは乾ひじきを戻したものと同じように使います。人参、椎茸、油揚げこんにゃくなどと一緒に酒、砂糖、醤油で煮たひじきの煮物はごはんに混ぜてひじきご飯にしても美味しいです。オリーブオイルでにんにく、赤唐辛子と一緒に炒め物たひじきのペペロンチーノやかき揚げ、天ぷらにしたりします。揚げ物は高温でさっと揚げます。のんびりしていると激しく爆ぜることがあるので気をつけましょう。


ひじきの乾燥保存

乾燥ひじきの黒い色からは想像しにくいですが、ひじきは昆布やわかめと同じ褐藻類に属し、生の状態では緑がかった明るい茶色です。

干潮時に水面に現れた姿が鹿の尾に似ていることから「鹿尾菜」と書きます。

褐藻類の多くは干潮時にも水が引かない漸潮帯に生息しますが、ひじきは干潮帯にある磯の岩場などで育ちます。

昆布やわかめが献上品、神饌として珍重されたのにくらべ、ひじきは貧しい庶民の日常食であり、飢饉や戦のときの救荒食で、江戸時代には盆、法事、講などの仏事にも用いられるようになりました。

熱湯に浸けると鮮やかな緑色に変わり、長く煮続けると再び茶色に変わります。

ひじきは磯臭が強く、硬いうえ、毒性のある無機ヒ素を多く含んでいるので生食はできません。

独特の海藻臭さとポキポキとした歯ごたえを好んで短時間茹でただけで食べる人もいますが、食べやすさと無機ヒ素の残留を考えると何度か茹でこぼし、アクを抜いて軟らかくしてから食べたり調理したりするのが一般的です。

ひじきの旬は春ですが、一度に大量に採れるので茹でてから乾燥して保存します。夏を過ぎると硬くなり食用には向きません。

無機ヒ素は水溶性なので茹でることで90%近く取り除くことができ、また乾燥ひじきを戻すときに水にさらすことでさらに減少させることができます。

軽く茹でただけの生ひじきを大量に食べると危険ですが、乾燥ひじきを調理したものを常識の範囲で食べている限りヒ素中毒はそれほど心配することはありません。


ひじきの乾燥法

ひじきは生のまま乾燥させても調理に使うときなかなか軟らかくならず、美味しくありません。

アクや渋味も強いため必ず茹でたものを乾燥させますが、初めに一度乾燥させてから水戻しし蒸して乾燥させる伊勢製法と、茹でるか蒸すかした後乾燥させる房州製法があります。

市販されている乾燥ひじきはほとんどが伊勢製法で作られていますが、家庭では面倒なので房州製法をおすすめします。

  1. 採れたてのひじきはきれいに洗い、傷んだ部分やごみや汚れを取り除きます。
  2. たっぷりの熱湯で2~3回茹でこぼしてから4時間以上かけて茹でます。蓋をしてそのまま一晩置き、蒸らしながら冷まします。
  3. 目の細かいゴザやざるに重ならないように広げ天日に2~3日干して完全に乾燥させます。

ひじきを茹でる工程で大切なのは、アクを抜くこと、無機ヒ素を減らすこと、軟らかくすること、黒く仕上げることです。

長時間茹でることでアクとヒ素の大部分は取り除くことができ、茹でるときに酢を加えることではやく軟らかくなります。

柑橘類の輪切りや梅干しでも代用できます。

黒豆と同じで鉄の鍋を使って煮ると、色素が鉄イオンと反応し、黒い色が濃くなります。

鍋に錆釘を入れて煮ても同様の効果が得られます。

太い茎や枝の部分と紡錘形の葉の部分に分かれますが、それぞれ長ひじきや糸ひじき、姫ひじきまたは芽ひじき、米ひじきと呼ばれ、戻す時間や食感が違うため分けて保存します。


乾燥ひじきの保存

変質しにくいので完全に乾いていれば数年もちます。

なぜかはわかっていませんが、昔から梅雨を越したもののほうが味がよく、1年以上たったもののほうが軟らかく煮えるといわれており、わざとたくさん作って古いものから使っていく習慣が残っている地方もあります。

湿気には弱いので乾燥剤を入れた密封容器で直射日光を避けて保存します。


ひじきの戻し方

たっぷりの水に浸けて戻しますが、急ぐときは湯や熱湯でもかまいません。戻すと約7倍になります。

戻し汁には残っていた無機ヒ素が溶け出しているので使わないように気をつけてください。

戻し汁が黒く染まるのは海水の成分が表面に噴き出すのを防ぎ、光沢を出すためにアラメという海藻の煮汁で着色してあるためで、ひじきの栄養が溶け出したわけではありません。

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