イノシシ肉の美味しい食べ方は?旬はいつ?

縄文時代の遺跡からイノシシの骨が発掘されるなど、イノシシ は昔から日本人の暮らしに密接に関わってきました。

山間部では貴重なたんぱく源であり、「しし」「山鯨」「ぼたん」などと呼ばれ食用にされるほか、毛皮もなめして衣類や敷物などに活用してきました。

江戸時代の『和漢三才図会』に「皮膚を補い、五臓を益す」と記されたように栄養価の高さも知られており、イノシシ肉を食べることは「薬喰い」と称されていました。

豚と同じようにほとんどの部位を食用に利用できるとても歩留まりのいい有益な獣です。

成体は70kg~110kgと大きさにばらつきがあります。多くの場合出産は年に一度で、春から秋にかけて一度に4~5頭の子どもを産みます。

イノシシの子どもは明るい茶色で、生後3か月くらいまでは体に瓜に似た白い縞模様があるため「ウリ坊」とも呼ばれます。

雑食性で木の実や草などのほか植物の根や茎、昆虫や時には小動物なども食べます。

イノシシの生息地は関東以南の平野部から山地にかけての森林や、さらには農耕地にある人里近くにまで広がり、愛らしい「ウリ坊」が民家の庭先に姿を見せることもありますが、イノシシによる農作物への被害は深刻な問題になっています。

沖縄にはリュウキュウイノシシという小型の亜種がいますが流通に時間がかかるのでなかなか手に入りません。


イノシシ肉の美味しい食べ方は?旬はいつ?

イノシシ肉の魅力

イノシシ肉の魅力は何といっても脂にあります。

融点が低いリノール酸などを多く含む真っ白で厚いイノシシの脂は豚の脂より甘味があり口どけがよく舌触りも滑らかです。

肉は上品な赤身で、かみしめると旨味がにじみ出してきます。

白い脂とのコントラストの美しさが牡丹の花にたとえられることから、イノシシ肉を「ぼたん」とも呼びます。

グリル、ロースト、テリーヌ、煮込み、燻製、生ハムといろいろな料理が楽しめます。

適切な処置を施せば内臓も食べられますが、野生の獣は病原菌や寄生虫を持っていることが多いので必ず十分に加熱して食べるようにします。

バラ肉は硬いのでベーコンや煮込み料理に向いています。

火を通すと硬くなりますが豚肉ほどではありません。

歳をとったり体が大きくなったりすると肉質は硬くなるので70kg未満の仔イノシシが理想ですが、「ウリ坊」のような幼獣は旨味が薄く、可食部も少ないので食用には向きません。

フランスでは生後3~6か月の仔イノシシをマルカッサン(marcassin)とよんで特に珍重しています。


イノシシ肉の旬

イノシシ肉の最大の魅力である脂肪が寒さに備えて厚さを増す11月下旬からが雄雌ともイノシシ肉が最も美味しくなる時期だといわれています。

12月半ば~1月になると発情期を迎えるため雄は脂肪が落ちはじめ、肉に独特の体臭がついてクセが強くなり魅力は半減してしまいます。

雌は1月頃まで脂肪がのっています。

その後、ほとんどの雌は妊娠するのでイノシシ肉の旬は11月下旬から12月前半、雌に限っては1月半ばくらいまでといえるでしょう。

イノシシの猟期は一般的には11月15日~翌年2月15日までですが、農業被害の拡大に伴い、猟期の延長や駆除もおこなわれるため、本来の旬を大きく外したイノシシ肉が手に入ることがあります。

夏場のイノシシは脂肪が薄く、肉は硬く旨味も薄いといわれるため需要がなくほとんどが廃棄処分されていますが、きめの細かい赤身は噛みしめると旨味がしみ出し、唐揚げやシチューにすると引き締まった野生的な味が楽しめます。


イノシシ肉の美味しい食べ方

イノシシ肉は劣化が早いので熟成はさせず、すぐに使わない場合は冷凍保存します。

ロースはジューシーでローストに最適ですが、体を芯から温めるぼたん鍋も冬のごちそうです。

厚い脂肪とくず肉をじっくりと煮込んでペーストにしたリエットや背油をハーブと岩塩で絞めたラルドはフランスで人気の前菜です。

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