ジビエ肉の特徴

ジビエとは狩猟鳥獣のことで、狩猟民族であるヨーロッパ人には馴染みの深い食べ物です。

農耕や牧畜が盛んになると、狩猟は軍事訓練も兼ねた特権階級のたしなみ、ゲームとなり、ジビエ料理ももっぱら王侯貴族の占有となりましたが、自由に山野を駆け巡り、大空を飛翔する野生の鳥獣は、現在は最高級食材とし人気があり、シーズンには街の市場でも手に入ようになりました。

日本では縄文時代や弥生時代の遺跡からはシカやイノシシの骨が出土していますが、殺生を諫める仏教の影響で長く肉食は禁じられており、身近な存在ではありません。

山間部では連綿と食べられていましたが、まわりを海に囲まれた日本では捕獲の難しい獣肉に比べ、手に入りやすい海産物に食の比重が置かれたのも無理はありません。


ジビエ肉の特徴

ジビエの魅力

ジビエの魅力は、人の手によって飼育され、肉質が均一化された家畜にはないはっきりとした個性です。

同じ種であっても、年齢や雄雌以外に、育った環境や食べている餌、運動量によってもその味わいは全く違います。

万人受けする穏やかで協調性のある風味ではありませんが、自分が何を食べているのかがはっきりとわかり、「命をいただいている」と実感するほどの迫力があります。


ジビエの特徴

運動量が多く、自然の餌を食べている野生動物は肉が締まり、各器官も小さめです。

肉は野生的で筋肉質でありながらしなやかで、くっきりとした味と香りがあります。

よくジビエは臭いといわれますが、食べ慣れていないからということの他に、理由の1つとして捕獲方法と後の処理の悪さがあります。

屠畜解体から流通保存のルートが確立している家畜と違い、ジビエは猟師の腕にも品質が左右されます。

内臓が傷ついた獲物は肉に血が回り臭みが強くなりますし、長く苦しんだものも同様です。

絶命後は速やかに冷やして内臓を除かないと腐臭がついて食べられなくなってしまいます。

特に腸管は鳥インフルエンザを始め多くの病原菌が存在する可能性があるので決して破らないように取り除かなくてはなりません。

本当に美味しいジビエを手に入れるには信頼のおけるルートの確保が必須条件です。

また、個体差が大きいのも理由の一つで、歳をとった個体は肉質が硬く、臭みも強いといわれますし、食べている餌によっても味が変わり、例えば鴨などは森林でドングリや栗などの木の実を食べているものと海辺で小魚や海藻などを食べているものとでは全く違います。

一体一体の特徴を吟味し、個性をより引き立てるに相応しい調理方法を見つけるのがジビエ料理の醍醐味です。

一般的には個性の強いものには同じく強い風味のハーブやスパイスを合わせることが多いです。

そしてフォンは、同じ食材から取ったものを使うのが鉄則です。


日本で手に入るジビエ

日本の猟期は秋から冬にかけてで、野生動物が冬に備えてたくさんの餌を食べ脂肪を蓄える時期です。

捕獲が認められているのは鳥類が28種類、獣類が20種類の計48種類だけです。

都道府県によっては捕獲が禁止されていたり、捕獲数が制限されていたりする場合もあります。猟期以外では害獣駆除されたものや冷凍、輸入品が流通しています。


ジビエの未来

自然環境の破壊、狩猟人口の減少、猟師の高齢化に伴ってシカやイノシシなどによる農業被害が深刻になってきています。

平成26年にはイノシシは年間約35万頭、シカは約40万頭が有害鳥獣として駆除または個体調査として捕獲されていますが、解体処理施設の圧倒的な不足、知識と経験不足、需要不足から流通ルートに乗せることが困難な状況で、ほとんどはそのまま埋められてしまっています。

これらの一部でも食材として活かすことができれば、地域経済の活性化にもつながり、野生動物の命を無駄にすることも少なくなります。

スポンサーリンク