キノコは収穫後洗う?洗わない?

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早春の山菜採りとならんで秋のキノコ狩りも山の恵みを楽しむ行楽の一つですが、人工栽培の技術が確立するまでキノコは山間部で暮らす人々の貴重な収入源でした。

今ではいつでもどこでも手に入るシイタケも、自生しているものを収穫するしかないので数が少なく、しかも中国への輸出品として貴重だったため、江戸時代の庶民の口にはほとんど入りませんでした。

1600年代に大分で始まったとされるシイタケの栽培は、原木に傷をつけて自然に菌が付着するのを待つという、原始的な方法で成功率も低く博打のような試みでした。

昭和に入って種菌を使った栽培方法が発明されてから急激に生産性が上昇し、日本を代表する栽培キノコになりました。

日本ではシイタケ、エノキタケ、シメジ、マイタケの栽培が盛んですが、世界で最も多く栽培されているのはマッシュルームです。

とはいっても世界に1000種類あるといわれる食用キノコの中で栽培キノコは30種類ほどしかありません。

また、栽培と天然とでは香りや味わいが全く異なるキノコも多くありますので、キノコ狩りを楽しみにする人が後を絶たないのもうなずけます。


キノコは収穫後洗う?洗わない?

収穫後のキノコ

さまざまな効能を持つ健康食品として注目を集めるキノコですが、有効成分の多くは細胞壁に守られており、ビタミンB群以外は水洗いしても流出する心配はあまりありません。

天然キノコには汚れや虫がついていることがあるので、収穫したらできるだけ早いうちに下処理をします。

生のキノコは意外と脆いので、汚れやごみ、土などを無理に落そうとせず、沸騰した湯にまとめて投入し、再沸騰直前に目の粗い網ですくい上げます。

ここで重要なのは決して沸騰させないことです。

溜めておいたたっぷりの冷水に放って冷まし、綺麗に洗ったら両手ですくい上げ、別のきれいな水に移して手早く洗います。

溜め水に移し替えて洗う作業を3~4回繰り返し、笊に上げて水気を切り、石突きを落としたら下処理は完了です。

マツタケは香りが命ですので熱湯処理はせず、汚れは固く絞った濡れ布巾で優しく拭います。

室内栽培のキノコは、衛生面は問題ないので洗う必要はありませんが、どうしても気になる場合は調理の直前にさっと水にくぐらせます。

ただ、欧米ではマッシュルームの栽培には馬厩肥が使われるので必ず洗うという人が多いです。

キノコは足が速く、冷蔵庫での保存は2日が限度です。

せっかくの天然キノコなら、新しいうちに食べ切るのが理想ですが、保存するなら天日干しがおすすめです。

日を浴びることで保存性が高くなるうえ、エルゴステロールという成分がビタミンD2に変わり、骨粗鬆症予防やがん細胞の増殖を抑える働きがあるといわれています。

下処理したキノコをラップで包んで冷凍したり、たっぷりの塩に浸けて塩蔵したり、水と一緒に瓶に入れて長時間茹で、密閉保存する方法もあります。

冷凍したキノコは解凍せず、そのまま料理に使います。

塩蔵キノコは塩出しをしてから使います。

2週間程度の保存であれば、キノコ400gに対して水300ml、酢300ml、レモンスライス2~3枚、塩15gを沸かして10分ほど茹で、笊に上げて1時間ほど乾かした後赤唐辛子やにんにく、粒胡椒、ローリエと一緒に瓶詰めにし、被るくらいまでオリーブオイルを注いだオイル漬けもおすすめです。


キノコ狩りの注意点

キノコの種類は世界に10000種ほどもあり、そのうち日本で確認されているのは3000種ほどです。

食用できるのは80~100種ほどで、約50種は毒キノコです。

「縦に裂けるキノコは食べられる」、「地味なキノコは食べられる、綺麗なキノコは毒がある」、「虫食いのキノコは食べられる」などいろいろ言われていますが、ほとんどが迷信で科学的根拠はありません。

「油で炒めれば食べられる」というのも誤りです。

猛毒のドクツルタケは縦に裂けますし、ツキヨタケは縦に裂ける上に見た目も地味ですが非常に強い毒を持っています。

食用のムキタケと毒のあるツキヨタケは姿がそっくりなうえ混生する場合もあるので十分な注意が必要です。

ナラタケはどんな料理にも合う美味しいキノコですが、生食すると中毒をおこすことがあります。

採取したキノコは種類と特性をよく確認し、適した調理法でいただくことが肝心です。

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