木曽駒ケ岳は初心者でも気楽に登れる山です

木曽駒ケ岳は初心者でも気楽に登れる山です

中岳から木曽駒ケ岳を望む


木曽駒ケ岳の中学生集団遭難事故

木曽駒ヶ岳でおこった事故で今から100年ほど前の話です。1913年8月 中箕輪尋常高等小学校高等科2年(現 長野県上伊那郡箕輪町立箕輪中学校2年)の修学旅行で木曽駒ケ岳に登山中、台風級の低気圧に合い、一行37人の内、校長、生徒9人、卒業生1人の計11名が山中で死亡した。

山頂の伊那小屋での宿泊を目指したが、小屋は荒廃し、失火で半壊状態になっていた。

翌朝生徒1人が死亡、仲間はパニック状態に陥った。小屋に止まるか、即刻暴風雨の中でも下山するか、仲間たちの意見が割れたが、結局下山を決行した。

しかし下山中生徒たちは次々に低体温症になり合い次いで倒れていった。

当時の気象観測ではこうした気象の変化の判別が難しかったことが原因の1つと言われています。

この実話は新田二郎の小説「聖職の碑(いしぶみ)」で発表され、その後同名の映画も鶴田浩二主演で上映されました。

山岳遭難事故の実話に基づき極限状態で師弟愛を描き、生きること、愛することの意味を問いかけた作品です。1978年東宝から発表されています。(監督 森谷司郎、主演 鶴田浩二、三浦友和、田中健、地井武男、大竹しのぶ、岩下志麻、北大路欣也などのキャストとなっています。)

かなり古い山岳遭難記録ですが、現代でも通じる多くの教訓がこの小説、映画に内包されています。

新装版 聖職の碑 (講談社文庫)


乗越浄土はすばらしいビューポイント、しかし怖いところ

さすがに現代では木曽駒ケ岳ではこうした遭難はありませんが、千畳式敷カールまでロープウエイでいとも簡単に登れるようになったため、安易な装備で登山をしている人が非常に多く見られます。

千畳敷カールの遊歩道の途中に駒ケ岳への登山口があり、そこから1時間くらい、かなりの急登であるが登り切れば、乗越浄土という鞍部 稜線に出られます。

ここから眺める展望は素晴らしく、北アルプスや、南アルプス、八ヶ岳そして運が良ければ富士山の雄姿も望む事が可能です。

こうした第1級の展望が楽しめるために、装備に気を使うことなく登ってくる人が多いのです。

しかしこの乗越浄土は天候が急変すると途端に危険地帯となります。

遮るものが何もないところですから強風に煽られても雨がひどくなっても逃げるところはありません。温度も急激に下がってきます。

幸いなことに千畳敷までの下りは40分位で下山できますのでおおきな事故にならないでいますが、山をなめるととんでもないしっぺ返しがあることを多くの人が学ぶことでしょう。


千畳敷駅から木曽駒ケ岳へ

一般的にこのコースをしらび平コースといいます。ロープウエイの千畳敷駅を起点として木曽駒ケ岳に至るコースです。

最も大衆化して大変多くの登山者に人気のコースです。

また初心者コースとしても多くのツアーに組み入れられています。とは言っても山は遭難と常に隣り合わせです、しかもこのコースは中央アルプスの最高峰を目指して稜線を歩きます。

いくら整備されている登山道でも強風や雨に打たれる時もありますので、装備は手を抜かないで季節に合わせて慎重に準備して行きましょう。

千畳敷駅から遊歩道途中にある八丁坂の指導票から登山開始です。

いきなり急登です。

1時間ほど頑張ると、先ほどの乗越浄土の稜線に出ます。

かなり平たい場所です。その先に槍のように聳えている山が宝剣岳(2931m)です。

その麓に宝剣山荘と天狗山荘の2軒の山小屋があります。

さてここで宝剣岳に登るかどうか迷うところです。

宝剣岳の鋭く尖った岩稜は人を寄せ付けない厳しさが感じられます。

夏の風の穏やかな晴天なら、多少怖い目に合いますが、初心者でも登れます。

雨が降ったり、風が強かったりしたら我慢しておきましょう。

麓の宝剣山荘を回りこんで中岳(2925m)に向います。

何もない岩だらけの稜線を歩きます。

中岳近くになると少し急なのぼりとなりますが、さほど苦労することなく中岳頂上に到達です。

ここで一息入れて、次は木曽駒ケ岳(2956m)に向います。

一気に一旦下ります。折角登ったのにと思うほど下ります。

またしばらく稜線を歩き、駒ヶ岳の急登に入ります。少々厳しい登りです。そして頂上です。

360度の大パノラマです。ガスってきたら何も見えません。運次第です。

登頂を成功させたら今来た道を引き返し千畳敷駅に戻ります。

往復3時間から4時間の行程です。


他の登山コース

上記は多くの初心者が使用する木曽駒ケ岳の標準コースですが、他にも多くの本格的な登山ルートがあります。

・大学の登山部や登山クラブがよく使用する大原コース。

千畳敷から宝剣岳、中岳、木曽駒ケ岳を経て玉の窪山荘から八合目、七合目避難小屋、五合目、四合目、ヒルトップ、アルパイン山の宿こまくさから大原に至る12.5kmのロングトレイルです。行動時間7時間ほど、一泊山小屋泊まりとなります。

・昔からある上松コース

JR上松駅を起点とする本格的な登山コースです。

2つのコースがあり2合目が登山口で、敬神の滝、五合目金懸避難小屋、木曽前岳を経て駒ケ岳山頂に至るコースと芦原高原を登山口として、奇美世の滝、五合目、七合目、木曽前岳から駒ケ岳山頂に至るコースです。

いずれも行動時間7時間(頂上まで)ほどかかります。

・空木岳(2864m)縦走コース

これも古くからある有名なコースですが、距離が長くて初心者にはおすすめできません。

千畳敷駅からすぐ前に聳える宝剣岳の横に極楽平があります。ここから稜線を縦走します。檜尾岳、熊沢岳を登頂しながら空木岳に至る厳しいコースです。

山と高原地図 木曽駒・空木岳 2016 (登山地図 | マップル)


今回のまとめ

  • 木曽駒ケ岳は初心者でも気楽に登れる山です
  • 木曽駒ケ岳の中学生集団遭難事故
  • 乗越浄土はすばらしいビューポイント、しかし怖いところ
  • 千畳敷駅から木曽駒ケ岳へ
  • 他の登山コース
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