燻製の歴史

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燻製 は食品を塩漬けにしてから煙で燻し、保存性を高める加工方法です。

スモークともいいます。

その起源は人類が炎を操る術を覚えた石器時代にまで遡ります。

木の実や種子を食べていた人類が狩猟による食料調達を始め、生食されていた獣肉を焼いて食べるようになると人口が増え、さらに多くの食料が必要になってきました。

そこで、残った食料を干して乾燥させることで保存食とし、不猟期を乗り切る知恵が生まれました。

そして、単に天日で干すだけより焚火の煙で燻した方が、保存性が高いことに気づくまで長くはかかりませんでした。

煙には200種類以上の有機化合物が含まれており、相互作用しながら殺菌や防腐の効果をもたらしています。


燻製の歴史

燻製の発展

13000年ほど前からおこなわれていた燻製ですが、当時は長期保存をのみ目的としたもので、煙臭く、美味しいものではありませんでした。

現在に近いかたちで燻製が作られるようになったのはおよそ2000年前の古代ローマ時代、ドイツ地方に生息していたゲルマン民族によってだと考えられています。

もともとゲルマン民族は食品を塩漬けにして保存する技術を持っており、そこに燻製の技術が合わさって現代風の燻製の基礎が築かれました。

同じころヨーロッパではスパイスを巡る貿易が活発化しており、さまざまな料理にスパイスが用いられ始めていました。

医薬品としても重用されていたスパイスには殺菌や防腐作用が認められており、さらなる保存性の向上を求めて燻製にスパイスが利用されたのももっともなことです。

人類の誕生とほぼ同じくらいの時期に発見された燻製という加工技術は、世界中の文化と相まってより美味しく、バラエティーに富んだ料理へと発展していきました。


燻製の種類

燻製は燻製時の温度によって4つに分類されます。

10℃~30℃の低温で燻煙する冷燻法ではドライソーセージや骨付きのハム、スモークサーモンやチーズなどが作られます。

いわゆるドライエイジングの延長で、有名なのは鮭のように鮮やかな色をしたドイツのラックスハムです。

イタリアのプロシュットやスペインのハモンイベリコは燻煙せずに熟成発酵させる生ハムです。

燻煙時の庫内を低温に保つ必要があるため温かい時期は作業に向きません。

長時間の燻煙と熟成が必要になるため歩留まりも悪く、高度な技術が必要ですが、保存性は高く、格別の風味があります。

30℃から50℃で燻煙する温燻法ではロースハムやソーセージ、ベーコンなどが作られます。

最も一般的な燻製法で、保存期間はそんなに長くはありませんが、家庭でも簡単に作ることができます。

しかし冷燻法に比べて雑菌の繁殖しやすい環境での加工になるので、衛生面には十分に注意が必要です。

熱燻法は50℃から80℃の高温で燻煙します。

短時間で調理するため時間の限られたキャンプやBBQでも楽しめます。

ローストチキンやローストビーフなどに向いています。

燻煙時間が短いため食材の水分が失われずソフトでジューシーに仕上がります。

風味を味わうための加工方法で保存食には向きません。

この他、80℃以上で燻煙する焙燻法もあり、日本の鰹節は140℃以上で燻煙する特殊な製品です。


基本の燻製の作り方

燻製の行程は、下ごしらえ→塩漬け→塩抜き→乾燥→燻煙→熟成です。

塩漬けにはソミール液という濃度10%程度の塩水にハーブやスパイスを混ぜたものか、ピックル液という塩水に砂糖や醤油、ハーブ、スパイス、リキュールを混ぜ、より複雑な風味を楽しむもの、もしくは塩のみが使われます。

ソミール液やピックル液を使った方が、均一に味がつきますが、時間がかかるため急いでいるときは直接塩を揉み込みます。

塩抜きは表面近くと内側で差のある塩味を均一にするために不可欠な作業です。

チーズや漬物をスモークする場合は塩漬けと塩抜きの行程は必要ありません。

スモークチップには穏やかな風味と煙の多さからサクラが好まれますが、ソメイヨシノよりヤマザクラの方が向いています。

この他にもブナ、ナラ、リンゴ、カエデ、シラカバなども使われますし、紅茶やコーヒーの出がらしトウモロコシの芯が使われることもあります。

欧米ではヒッコリーがよく使われます。ザラメを加えるのは煙ののりと、色付けのためです。

燻製のコツは、塩抜きの後食材を乾燥させて水分を減らし、低温からゆっくりと温度を上げて燻煙することです。

その後しばらく置いて熟成させることで煙臭さを抜きます。


まとめ

燻製の歴史
燻製の発展
燻製の種類
基本の燻製の作り方

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