スモークチップとスモークウッド、燻製初心者向けはどっち?
燻製 に欠かすことのできない チップ と スモーク ウッド ですが、どっちが良いのかわからない……という方も多いと思います。
今回は、それぞれの特徴、使用感をまとめてみました。
※今回は金属製のスモーカーを使用して、キッチンで燻製を作ります。アウトドアでの使用感とは若干異なることもあります。
熱燻におすすめ!スモークチップ
スモークチップ(以下チップ)は乾燥した木を細かく切ったもので、下から熱を与えて煙を出します。当然スモーカー内の温度は高くなり、最大120度程度にまで上昇します。
燻煙と熱で食材に火を通したい時は、迷わずスモークチップを使いましょう。
燻煙の出方は、スモークウッドよりも穏やかに感じます。煙が出だしたら弱火にして、じわじわと煙を出していくと一気に燃え尽きてしまうこともないようです。
常に熱を与えている必要があるので、放っておくとどんどんスモーカー内の温度が上がってしまうのもチップの特徴です。
中の温度をこまめに確認して火を調整する必要があり、この作業が意外と忙しいです。
アウトドアで炭火を使って燻製する場合には、コツが要りそうですね。
また、スモーカー自体がかなりの高温になるので、陶製のスモーカーでは破損に気をつける必要があります。
土鍋で作ったスモーカーも使用していましたが、食材の水分が鍋に落ちて割れてしまったことがあります。
食材の脱水にはいつも以上に気を配り、底にアルミホイルを敷き詰める等の工夫が必要かもしれません。
冷燻も作れる!スモークウッド
スモークウッド(以下ウッド)はおがくずのような細かい木の粉を固めたものです。
原理としては、大きなお線香のようなものだと思えばわかりやすいでしょう。
一度火をつけたら勝手に燃え進んでいくので、熱源がなくても燻製ができるのが魅力です。
ウッド自体から発熱はするものの、そこまで高温にならないので調整次第ではスモークサーモン等の冷燻も作ることができます。
しかし、途中で火が消えないようにウッドを着火するのはコツが必要です。
全面を黒くなるまで焼いてから入れると消えづらいのですが、煙の量も比例して多くなるのでスモーカーを何度も開閉して調整しなくてはいけません。
また、ウッドはスモーカー内に空気を採り入れないと立ち消えしてしまいます。
つまり、少し煙が漏れ出た状態を維持しないといけないので、屋内で燻製をつくるには換気にかなりの配慮が必要です。
初心者向けの燻材としておすすめされることの多いウッドですが、実際に使ってみると意外と難しい……という感じです。
それでも、熱源なしで長時間の燻製ができるのはウッドの最大の魅力ですね。
扱いに慣れれば、幅広い食材に応用できる燻材だと思います。
今回のまとめ
◆スモークチップ
- スモーカー内の温度調整が忙しい
- 高温を維持できるので熱燻(スモークチキン・魚介類等)に最適
- 空焚きになるので、食材の水分管理は厳重に
◆スモークウッド
- 熱源なしで長時間の燻製が可能
- 温度調整に気を配れば、冷燻(スモークサーモン・ジャーキー等)~温燻(スモークチーズ・ベーコン等)まで幅広く対応できる
- 立ち消えしないよう、換気に気をつける
食材によってチップとウッドを使い分けることができれば、燻製の幅がぐんと広がります。
意外なものが美味しく燻せたりもするので、是非いろいろ試してみてくださいね!