深田久弥著「日本百名山」は賛否両論ある

日本百名山焼岳

                                                 大正池に映る焼岳(百名山)

依然として登山ブームが続いています。

60歳以上の比較的高齢者が中心となって、登山人口の底上げがなされています。

山に行きますと、現在百名山挑戦中で65座が終わりましたとか、百名山2順目です、という剛の者なども見受けられ、多くの登山愛好家が百名山の登頂を目的として北海道から九州まで時間とお金を費やして黙々と踏破していまして、これも一種静かなブームとなっています。

彼らが一様に持って歩いているのが深田久弥著の「日本百名山」です。

それだけこの本は登山家に愛されています。


日本百名山の選定基準

「日本百名山」は登山家で文筆家でもある深田久弥氏が、1964年に新潮社から出版した作品で、第16回読売文学賞を受賞した作品でもある。

この作品は本人が実際に登頂した、日本各地の山から、自らが定めた基準で100座を選び、随筆として発表したものです。

深田久弥氏自身の日本百名山の選定基準

本人が登頂した山で、かつ標高が1,500m以上(例外 筑波山877m、開聞岳924m)という前提のもとに、

  • 山の品格  人に人格があるように山には山格がある、とし、誰が見ても立派だと感嘆する山であること。
  • 山の歴史  昔から人間との係わり合いが強く、崇拝され、山頂に祠が祀られている山であるというような山の歴史を尊重する。
  • 個性のある山 芸術作品と同様に山容、現象、伝統など他にないような顕著な個性を持っていること。

こうした基準に加えて、観光のために山が開発されて「山霊のすみかがなくなっているような山」は選ぶわけにはいかない。」と言っている。

但し、自分の基準が唯一の妥当な選定基準ではないことは認めている。

読者が自分で百名山を選定する際のたたき台として読むことがこの本の魅力と言える。


【日本百名山は登山入門書!】

今もなお、優れた登山入門書として、広く登山家の間で知られるベストセラーです。

この本を読んで日本の山の魅力を知り、自分もこれらの山に登ってみようと思う人が増加して、日本百名山ブームが起き、現在もなを、続いています。

しかし、このように日本百名山だけに人が群がり、シーズン中の百名山周辺の山小屋が旅行会社のツアー客を交えて混雑し、登山道が荒廃するような山登りのあり方を批判する意見も数多くあります。

深田氏自身も百名山出版後も相変わらず登り続け、百名山に入れたいと思う山をいくつか知ったという。

事実1971年(昭和46年)に出版された山岳紀行エッセイ集「山頂の憩いー日本百名山その後」では20座ほど紹介している。

多くの人の意見も聞いて若干の山の差し替えをするつもりでいたようであったが、それはかなえられなかった。

1971年3月、登山中の茅ヶ岳にて脳卒中で急逝した。

その後もテレビなどの番組を通じて、日本百名山の登山を主題とする紀行番組が度々放送されて、現在も登山に関する番組は多い。


【日本百名山への批判】

登山ブームにより日本百名山に刺激されて、登山者の集中が起こった。登山者の増加は山小屋や登山道の整備が進み、快適な山行きが楽しめるようになった反面、その他の山では登山者の減少により、山道などの荒廃が進んでいる。

さらの登山者の増加は自然環境の破壊につながり、各地で深刻な問題となっている。

また一部の無謀な登山者が自身の力量を十分考えることなく、百名山の登頂だけを目的とし、簡単に遭難したり、安易な遭難救助要請をしたりして地域でひんしゅくをかっている。

これらは百名山だけへの登山者集中による弊害であるため、日本百名山に対して批判する人も多いことも事実である。

また一方、日本にはまだまだ多くの知られていない名峰が存在する。これらの山の関係者は広く知られることにより、登山者が増加し、山の荒廃につながることを危惧して、逆に宣伝広報を控える傾向にある。

これもまた残念な方向である。


今回のまとめ

深田久弥著「日本百名山」は賛否両論ある
日本百名山の選定基準
日本百名山は登山入門書!
日本百名山への批判

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