肉を上手に熟成させる方法

肉を上手に熟成させる方法

niku

ドライエイジング法とウェットエイジング法

肉を熟成させるにはドライエイジング法とウェットエイジング法の二つの方法があります。

ドライエイジング法では、室温を1~3℃、湿度を60~80%に保ち、風を送って肉を2ヶ月ほど乾燥させます。スペインのハモン・セラーノ、イタリアのプロシュット・ディ・パルマは大量の塩を使い、微生物による発酵を利用しながら長期間乾燥させるドライエイジングです。

ウェットエイジング法では室温を0~2℃に保ち、布やラップで巻いて乾燥を防ぎ、肉を2週間ほど寝かせます。

極端な話ですが言ってしまえばチルド状態で保存してある肉もウェットエイジングです。

ドライエイジング法は、本来アメリカやヨーロッパで「熟成肉」と呼ばれるのはドライエイジングのものだけですが、時間と手間がかかるうえ、カビの生えた表面をトリミングするので肉の総重量の60%ほどしか食用になりません。

そこで、日本では比較的手軽にできてコストも抑えられるウェットエイジングの肉も「熟成肉」といわれています。

厳密にいえば両者は全く別のものです。

家庭で「本物の」熟成肉を作ることは難しいですが、肉を熟成させることはできます。

熟成とは時間と共に酵素の働きでたんぱく質がアミノ酸に分解され、旨味が増すことです。

ただ、時間が経つと腐敗も進むので、腐敗を防ぎながら熟成を進めなくてはなりません。

腐敗は空気中の細菌によっておこります。なので、空気を遮断して細菌を寄せ付けないようにすることが大切です。

  • 肉は薄い塩水で洗って水気を拭き取ります。
  • 肉の表面に焼酎を霧吹きで吹きかけ、清潔な布で水気をしっかりと拭き取ります。
  • 厚手のポリ袋に肉と肉の重量の2%の塩と一つまみの砂糖を入れて、しっかりと擦り込みます。
  • 氷水を張ったボウルに肉の入ったポリ袋をつけて水圧で空気を抜きます。
  • 空気が入らないようにポリ袋の口をぐるぐるとねじって縛ります。
  • バットに網を置き、その上に肉をのせます。
  • 冷蔵庫のチルド室に入れて2~7日寝かせます。

これが基本の熟成の方法です

  • 肉は絶対に素手で触らないようにします。
  • 塩と砂糖はミネラルを含んだ自然のものを使います。
  • 脱水と防腐のほかに、肉の旨味を増す役割があるからです。
  • ボウルにポリ袋をつけるときに絶対に水が入らないように注意します。
  • チルド室は肉を取り出すまで開けません。

家庭の小さなチルド室ではすぐに温度が上がってしまいます。

  • 肉は新鮮なものを使います。
  • 消費期限の過ぎたものや冷解凍をくり返したものは使いません。

牛肉だけでなく、豚でも鶏でも同じようにして熟成できます。

  • 部位はどこでも構いません。
  • 焼くときは肉を室温に戻しておきます。
  • 冬なら2時間、夏でも30分前には冷蔵庫から出しておきます。
  • 塩気はそれほどありませんので、焼く直前に塩、胡椒を振ってください。
  • 早く塩、胡椒を振ると肉が固くなります。
  • ソテーが一番肉の旨味を味わえますが、ポトフやシチューのような煮込み料理にも使えます。

熟成肉はヨーロッパに古くからあった肉の保存法をもとに、肉質の固い経産牛を食べる方法として考え出されました。

DAB(ドライエイジングビーフ)は水分の多い赤身の牛肉を美味しく食べる知恵ですので、霜降り肉には向きません。

日本にも同じようにして発展してきた料理があります。

昔からある味噌漬けや醤油漬けも理屈は同じで、味をつけると同時に熟成させているのです。

日本はヨーロッパと違い湿度が高いので、風で乾かすドライエイジング法よりも、水分を保ったウェットエイジング法が適していたのです。


味噌漬け

牛肉500gの表面の水気をしっかりと拭き取ります。

清潔なガーゼかキッチンペーパーで肉を包みます。

好みの味噌50gを味醂大さじ1杯で緩めたものを全体に塗ります。

ラップできっちりと包んでポリ袋に入れ、しっかりと口を縛ります。

冷蔵庫に入れて2~5日間寝かせます。

焼くときはペーパーごと味噌を取り除きます。この味噌は使い回しできません。


醤油漬け

牛肉スライス500gに対して醤油大さじ2杯と砂糖小さじ1杯をポリ袋に入れてよく揉み込みます。

氷水を張ったボウルに肉の入ったポリ袋をつけて水圧で空気を抜きます。

ポリ袋の口をしっかり縛って冷蔵庫に入れます。

一晩~一週間寝かせます。


赤ワイン漬け

保存用ポリ袋に牛肉の塊とぶつ切りにした人参、玉ねぎ、セロリと潰したにんにくを入れ、全部がしっかりと浸かるほど赤ワインを注ぎます。

口を閉じて冷蔵庫で2~7日間寝かせます。

焼いても良いですが、全部まとめて鍋に入れて水を足し、灰汁を掬いながら煮込んで塩、胡椒で調味すると美味しいスープになります。


玉ねぎ漬け

シャリアピンステーキとして有名です。

玉ねぎのすりおろしに塩少々を加えたものにステーキ肉を漬け込みます。

冷蔵庫で1時間ほど休ませたら取り出して室温に戻します。

表面の玉ねぎをこそげ取り、油を敷いたフライパンで肉を焼きます。

肉が焼けたら同じフライパンで取り除いた玉ねぎを炒めます。

茶色に色付いたらウィスキー少々を加えて煮詰め、塩、胡椒で味を調え、肉にかけます。


ナンプラー漬け

ウェットエイジング法の発展形で、アメリカで始まりました。

保存用ポリ袋に牛肉の塊500gとナンプラー大さじ1半を入れ、よく揉み込みます。

チルド室で3日間寝かせます。

取り出した牛肉を厚手のキッチンペーパーできっちりと包み、バットに網を敷いた上にのせます。

チルド室で再び3日間寝かせます。

肉は流通の段階で熟成が進んでいます。

保存期間はあくまで目安です。

異臭がしたり、糸を引いたりしているものは危険なので食用には向きません。


まとめ

肉を上手に熟成させる方法
ドライエイジング法とウェットエイジング法
味噌漬け
醤油漬け
赤ワイン漬け
玉ねぎ漬け
ナンプラー漬け

スポンサーリンク