こんなに簡単に?安いお肉をやわらかくする方法

こんなに簡単に?安いお肉をやわらかくする方法

niku

柔らかい肉 を好む日本人には外国産の赤身肉は硬くてなかなか食指が動きません。

サシの入った高級和牛と比べてみるとよくわかりますが赤身の肉は繊維がぎゅっと詰まっています。

脂は融点が低いので、加熱の早い段階で繊維の間の脂が溶け出す高級和牛は繊維がほどけて柔らかくなり、調理時間も短くて済みます。


肉をやわらかくする方法

赤身の肉は加熱することでたんぱく質が凝固して繊維が縮み、水分が抜けて硬さが増します。

肉を柔らかくするには保水性を高めるか、繊維をほどけやすくすることが必要です。

そこで考えられるのが、筋繊維の間を広げ、保水力を上げることと、結合たんぱく質や筋繊維質を分解することです。

砂糖

砂糖は肉の筋繊維間に入り込み、保水力を上げます。

また、砂糖はたんぱく質が凝固するのを妨げる働きがあります。

調理前に砂糖を揉み込むことで肉の保水力が高くなります。

肉の重量の2%の塩と一つまみの砂糖を共に用いると保存性が高くなります

はちみつ

砂糖と同様に保水力を上げると共にたんぱく質の凝固を防ぎます。

保湿力が高く、ジューシーに仕上がります。塩と共に用いることで保存性も高くなります。 

塩は+イオンと-イオンに分離し、肉の繊維間の-イオン、+イオンと結合します。

そうすることで筋繊維の間隔を広げ保水力を高めます。

また、食肉のphは5~5.5で、肉の保水力はph5を挟んで酸性、アルカリ性どちらに傾いても増します。

2%の塩を加えるとphが酸性に傾きます。

さらに、肉が酸性に傾くと肉の筋肉組織内にあるたんぱく質分解酵素、酸性プロテアーゼが活性されます。

加えて塩は太い筋繊維からミオシンというたんぱく質を溶解させます。

調理前に塩を揉み込むことで肉の保水力が高くなり、筋原繊維がほぐれやすくなりますが、塩のみを添加して長時間放置すると浸透圧で水分が抜け、かえって硬くなります

調理の直前に添加するか、長時間置く場合は保湿性の高い砂糖を共に用いるようにします

酢、ビネガー、柑橘類の果汁

酢は酸性のため、肉のphを酸性に傾かせるので、保水性が上がり、加えて筋肉内にある酵素の酸性プロテアーゼが活性化することで肉たんぱく質の分解が促され軟らかくなります。

油や塩、ハーブやスパイスと合わせてマリネ液にして使います。

重曹 

水に溶けやすく、水溶液を加熱すると炭酸ガスを発生させます。

働きは炭酸水と同じですがアルカリ性です。

苦味があり、使いすぎると味を損ねます

炭酸水 

炭酸水は水の中に二酸化炭素が溶けている状態です。

加熱すると二酸化炭素が気化し始めます。

親水性が高く、肉の繊維間に炭酸水が入り込むため、調理すると繊維間でガスが膨らみ肉を軟らかくします。

コーラ 

酢と同じくコーラも酸性です。

炭酸が肉を軟らかくし、含まれている砂糖が保水性を高めます。

ビール

ビールも酸性で、加えてアルコールには肉を軟らかくする働きもあります。

また、炭酸は加熱した際、肉の繊維の間で炭酸ガスが膨張するので、肉の繊維間を広げることで肉を軟らかくします。

日本酒

酢と同じく日本酒のphも肉より低いので、保水性と肉たんぱく質の軟性が増します。また、アルコールにも肉を軟らかくする働きがあります。

赤ワイン

日本酒と同じく酸性です。

アルコールの働き、さらに乳酸が含まれるので、乳酸の効果でも肉が軟らかくなります。

マヨネーズ

含まれる酸が肉を酸性に導きます。

また、油分がコーティング剤となり水分の蒸発を妨げます。

醤油 

酸性です。醤油にも乳酸が含まれています。

長く漬け込むと塩の脱水作用で硬くなるので、砂糖や酒と合わせて保水力を高めます。 

味噌 

酸性で乳酸を含みます。

殺菌力が強く保存性が高いです。

水分を補給するため日本酒で緩めて使います

納豆 

酸性で乳酸を含み、さらに納豆のネバネバにはたんぱく質分解酵素のナットウキナーゼが含まれます。

塩麴 

酵素がたんぱく質を旨味成分であるアミラーゼに変え、たんぱく質分解酵素であるプロテアーゼが肉質を軟らかくします。

果物、野菜 

パイナップルのブロメリン、青いパパイヤのパパイン、いちじくのフィチン、キウィフルーツのアクチニジンかよく知られていますが、この他にも洋梨、メロン、生姜、玉ねぎ、大根にもたんぱく質分解酵素のプロテアーゼが多く含まれます。

プロテアーゼは加熱によって損なわれるので缶詰では効果はありません。

調理前に10分~20分ほど漬け込みます。

接着面にしか酵素は働かないので、厚い肉の場合はフォークなどで刺して中まで染み込むようにします。

また、漬け込み時間が長すぎると肉の繊維がバラバラになりかえって食感を損ないます。特に果物はその傾向が強いです。

きのこ 

特に舞茸はプロテアーゼを豊富に含みます。刻んだ舞茸に水を加え、肉を浸します。

ヨーグルト 

乳酸が筋繊維を軟らかくします。インドのタンドリーチキンはこの効果を利用したものです。

牛乳 

乳酸が筋繊維を軟らかくし、乳脂肪が肉の臭みを消します。

たくさんの肉を柔らかくする方法がありますが、植物由来のプロテアーゼは分解力が非常に強いので短時間で肉を軟らかくするときに向いています

果物の風味が移るのでそれが苦手な人は生姜や玉ねぎ、大根のすりおろしに浸け込むと30分~1時間ほどで肉が軟らかくなります。

ロシアの声楽家シャリアピンのために考案された、玉ねぎに漬け込むシャリアピンステーキは有名です。

漬け込んだ玉ねぎはソースに使えます。

アルコールや乳酸はゆっくりとたんぱく質を軟らかくするので一晩以上漬け込むのが理想的です。

炭酸は気が抜けていても大丈夫です。

液体の中にはまだ二酸化炭素が融け込んでいます。

漬け込んでも良いですし、煮込みに使うのも効果的です。

道具を使って繊維を断ち切る方法もあります。

肉叩き 

叩きます。麺棒やビール瓶でも代用できます。

包丁 

赤身肉と脂身の間の筋に切れ目を入れます。

加熱した時肉が反り返るのも防げます。

熊手のような形をした筋切り専用の義春刃物 ミートソフター イエローと言う道具もあります。


肉の調理方法

シャリアピンステーキ 

肉は肉叩きで薄くのばします。玉ねぎはみじん切りにします。

ステーキ肉1枚に対して玉ねぎ半分くらいです。

肉に玉ねぎをまぶしラップで覆って冷蔵庫で30分~1時間休ませます。

常温に戻したら玉ねぎを丁寧に取り除き、塩、胡椒します。油を敷いたフライパンで肉の両面を焼きます。

肉を皿に移し、漬け込んだ玉ねぎを同じフライパンで透明になるまで炒め、砂糖、醤油、赤ワイン、ワインビネガーで調理して煮詰めます。

塩、胡椒で味を調えてソースにします。

納豆菌ステーキ 

肉は串かフォークを刺して何カ所か穴を開けておきます。

納豆のネバネバを肉の表面に塗りつけます。

常温で30分放置した後冷蔵庫で1時間休ませます。

水でさっと洗って水気を拭き取ってから塩、胡椒して調理します。

塩麴漬け 

肉にフォークで数カ所穴を開けます。

全体に塩麴をまぶしつけて30分~一晩冷蔵庫に置きます。

表面の塩麴をざっと拭って調理します。

塩味はそんなについていません。

味噌漬け 

味噌50gを酒大さじ1で緩めます。

肉の全面に塗り付け冷蔵庫で一晩休ませます。

味噌を拭ってからグリルか油を敷いたフライパンで焼きます。

塩蜂蜜漬け 

牛肉にフォークで数カ所穴を開けます。

牛肉100gに対して塩小さじ1/8と蜂蜜小さじ1/2を擦り込みます。

ポリ袋に入れて冷蔵庫で1~3晩休ませます。

すき焼きのような甘辛い味付けの料理に向いています。

コーラ肉じゃが 

鍋に厚切り牛赤身肉のぶつ切りと他の肉じゃがの材料を入れ、油で炒めます。

油が回ったらひたひたになるくらいまでコーラを注ぎます。

しばらく煮込んだら醤油を加えて煮詰めます。鶏肉や豚肉でもできます。

赤ワイン煮 

鍋に肉の塊と風味づけの野菜くず(セロリの葉、人参の切れ端、玉ねぎの切れ端、潰したにんにく)を入れ、かぶるくらいの赤ワインを注いで蓋をし、冷蔵庫に2晩入れておきます。

野菜くずを取り除き、新たにセロリ、人参、玉ねぎを食べやすく切って加え、火にかけます。

強火にかけて沸騰したら火を弱め灰汁を掬いながら中火弱で肉に火を通します。

塩、胡椒で味を調えます。


お肉の性質を知ろう

旨味やコクを生み出すペプチドは60℃で6時間加熱した時、旨味成分の遊離アミノ酸は40℃で6時間加熱した時に最も生成されます。

高温で長時間調理すればするほど肉は硬くなり、旨味は失われていきます。

牛肉のたんぱく質は30℃~35℃で凝固が始まり、温度上昇と共に硬さを増します。

75℃以上になるとほとんどの水分は失われてしまいます。

塊肉の場合は低温で温めた後長時間保温して中心温度を60℃台に保つこと、薄い肉の場合は高温で短時間調理するのが肉を軟らかくいただくもう一つの大切な条件です。

また、肉を焼く場合、肉は常温に戻しておきます

冷たい肉は表面が固まるのに時間がかかり、肉汁が流れ出してしまいます。


まとめ

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肉をやわらかくする方法
肉の調理方法
お肉の性質を知ろう

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