釣りたてニシンのおいしい食べ方

ニシン は別名春告魚とも呼ばれ、かつては3月頃、産卵のため北海道沿岸に押し寄せるにしんで海が盛り上がって見えるほどでした。

江戸時代には年貢の代わりに納められたり、京都や大阪に運ばれたりして大量に消費されました。

用途は食用に限らず、田畑の肥料や燈油、燃料と多岐にわたり、最盛期の大正初期、にしん漁で財をなした網元はにしん御殿とよばれる贅沢な番屋屋敷を建築し富と権勢を誇りましたが、乱獲のため1950年代にはにしんの漁獲量が激減し、一時は幻の魚とまでいわれました。

にしんは鮮魚としてより、身欠きにしんや数の子など加工品としての需要が高く、特にお正月に欠かせない数の子は黄色いダイヤとも呼ばれ高級食材の一つです。

減少した漁獲量は回復しないまま、現在では加工品のほとんどは輸入に頼っています。

国内のにしん漁は北海道が主で、数の子を目的とするならば旬は春ですが、鮮魚としての身自体が美味しいのは秋です。


にしんの食べ方

にしんはとても脂が多く、傷みやすいため昔から加工して保存食にされてきました。

日本では江戸時代から作られている干物の身欠きにしんが有名です。

ほかにも世界一臭い缶詰といわれるスウェーデンの「シュールストレミング」やイギリスの燻製「キッパー」、オランダ発祥の酢漬け「ハーリング」などがあります。


釣りたてにしんの食べ方

日持ちはしませんが釣りたてであれば刺身で食べることもできます。

イワシに似ていますが、より脂がのっていますし、青魚には珍しいこりっとした食感があります。

大きくなるにしたがってさらに脂ののりがよくなります。

にしんの刺身

うろこは落としやすいですが身が軟らかいので力を入れすぎないように気をつけます。

鮮度落ちが早いので魚体を手で押さえるときは頭を押さえるようにします。

三枚に卸したら腹骨をすき取り小骨も抜きます。

抜くのが面倒なら中骨にそってすき取ってもいいです。

頭の方から皮を剥ぎ、大きめのそぎ切りにしていただきます。

わさび醤油のほか生姜醤油や大根おろしやポン酢ともよく合います。

脂がくどいようなら塩をしたあとさっと酢で絞めてから皮を剥いで切り分けるといいでしょう。

にしんの甘酢漬け

にしんの脂と酢は相性がよく、酢6:砂糖2:塩1を合わせた甘酢に浸けた甘酢漬けや酢味噌和えも美味しいです。

ガリ(新生姜の甘酢漬け)と和えるのもおすすめです。

にしんのマリネ

洋風にするなら白ワインビネガーにオレガノ、タイム、ディルを加え、塩と胡椒で味を調えたマリネ液に浸けます。

オニオンスライスやレモンを加えてもいいです。

ドイツ風の酸味の効いたパンにのせてオードブルにしたりサンドイッチにしたりしても美味しいです。

にしんのトマトカルパッチョ

よく冷やした平皿に刺身にさばいたにしんを広げ、レモン汁、塩、胡椒をかけて食べやすく切ったトマト、さらしたまねぎ、ルッコラをのせます。

食べる直前に全体を和えます。

ルッコラが無ければ春菊でも。

クレソンや水菜、からし菜などちょっと苦みや癖のある野菜が合います。

にしんの塩焼き

生で食べるのも美味しいですが、鮮魚として一番のおすすめは塩焼きで、白子や真子ごと丸焼きにします。

白子と真子ではまた別の味わいがあってそれぞれ魅力的です。

網で焼くと適度に脂が落ち、煙で燻されることでより美味しくなります。

骨が多いですが取り除きやすいので慣れれば食べにくいというほどでもありません。

身欠きにしん

身欠きにしんは三枚に卸したにしんを素干しにしたもので、かちんかちんに乾燥させた本干しと軟らかめに仕上げた生干しがあります。

日持ちがするのは本干しですが、干すのも戻すのも時間がかかるので生干しのほうが手軽です。

冬なら風通しのよい半日陰で一日丸干しします。

適度に身が締まったら三枚に卸し、内臓を除いて綺麗に水洗いします。

歯ブラシなどで血合いも綺麗に洗い、水気を拭き取ります。

干し網に並べるか串に刺して吊るし、風通しのよい場所で2~3日乾燥させます。

触ってみて乾いた感じになれば完成です。

本干しにするならさらに一週間ほどかけて完全に乾かします。

せっかくの釣りたてですが、鮮度のよいにしんで作る干物は格別です。

たくさん釣れたらぜひ身欠きにしんに挑戦してみてください。

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