鯛 といえば魚の王様、赤い体色と精悍な顔つき、「めでたい」につながる縁起のいい名前から日本ではお祝い事に欠かせません。
とくに天然の真鯛の白身でありながらどっしりと脂がのった上品な味は、姿焼き、刺身、塩焼き、煮付け、椀物、鯛めし、塩釜、蒸し物とどんな料理方法も受け止める貫禄があり、美味しいレシピはいくらでもあります。
魚の 燻製 といえば真っ先に頭に思い浮かぶのはスモークサーモンですが燻製好きならこの魚の王様をスモークしてみたいと思っても不思議はありませんね。
薫香をまとったスモーク鯛の美味しさはまた格別ですよ。
超簡単!鯛の燻製の美味しい作り方
手軽で簡単な瞬間燻製
刺身を数十秒から数分間燻製するだけの瞬間燻製。使う道具は本格的なスモーカーより中華鍋やフライパンが適しています。短時間燻製するだけでもスモーキーな香りが漂い刺身とは一味違った美味しさです。
サクのまま燻製にするなら燻煙時間は5~10分程度です。
<材料>
鯛刺身
ハーブソルト(好みのもの)
スモークチップ(サクラ、リンゴなど)・・・一掴み
緑茶・・・大さじ1
<作り方>
1.刺身の両面にハーブソルトを振り、キッチンペーパーに重ならないように並べ、上にもキッチンペーパーをのせて軽く押さえ、水気を拭き取ります。
2.網にのせ、冷蔵庫で30分乾燥させます。水が浮いていたらキッチンペーパーで軽く押さえて拭き取ります。サクの場合はキッチンペーパーで包み、そのまま冷蔵庫に入れて1~2時間乾燥させます。
3.中華鍋にアルミホイルを敷き、スモークチップ緑茶を合わせてのせます。
4.強火にかけ、煙が上がったら薄く油を塗った網に刺身を並べて鍋にセットし、蓋をします。
5.火を中火にし、しっかりと煙が上がっているのを確認しながら30秒~2分、好みの加減に燻煙します。すぐに取り出してしばらく冷蔵庫に入れておき、煙の香りが落ち着くのを待ちます。サクの場合はラップで包んで冷蔵庫で1時間冷やしてから切り分けます。
切り身で燻し焼き
一見するとただの焼き魚のようですが香ばしい香りと凝縮したうま味が食欲をそそります。アラを使ってもいいですよ。
<材料>
鯛切り身
ソミュール液(10~30%の塩水、15%くらいが一般的)
オリーブオイル
スモークチップ・・・ 二掴み
緑茶・・・小さじ1
ザラメ・・・大さじ1
<作り方>
1.切り身とソミュール液を密封式ポリ袋に入れ、空気を抜いて口を閉じ、冷蔵庫に一晩おいておきます。
2.切り身を取り出し流水で1~2時間かけて塩抜きをします。塩の抜き加減で味が決まるので、途中で少し切り取って焼き、味を確かめてください。
3.塩抜きが終わったらキッチンペーパーで水気をしっかりと拭き、網に並べて風通しのよい涼しい場所(寒い季節以外はキッチンペーパーに包んで冷蔵庫)で2時間乾燥させます。
4.アルミホイルを敷いた中華鍋の底にスモークチップと緑茶、ザラメを入れ、強火にかけます。
5.しっかりと煙が上がったら油を塗った網に切り身をのせてセットし、蓋をします。
6.弱めの中火で20分ほど燻煙します。
7.火を止めたら蓋を取ってそのまま冷まし、できれば一晩風にさらします。
ちょっと時間をかけて温燻法
刺身と焼き魚の中間のような燻製ならではの味わいです。ソミュール液やピックル液を使わない乾塩法なら時間も短縮できますし塩抜きの手間もかかりません。
<材料>
鯛刺身用サク
ハーブソルト
スモークチップ・・・3カップまたはスモークウッド1/2本
緑・・・小さじ2
<作り方>
1.サクの全面にハーブソルトを満遍なく擦り込みます。
2.キッチンペーパーに包んで冷蔵庫に2時間ほど入れて乾燥させます。
3.小型スモーカーにスモークチップかスモークウッドをセットし、庫内に煙を充満させます。
4.油を塗った網にのせたサクをセットし、庫内の温度を50~60℃に保って2時間燻煙します。
5.燻煙し終わったらすぐに取り出して風にさらし、冷めたらラップで包んで一晩冷蔵庫で休ませます。
レア感を残す冷燻法
30℃、できれば20℃以下を保って燻煙する冷燻法は衛生管理と温度管理が何よりも大切です。真夏の気温の高い時は特に注意が必要です。
また、数日かけてしっかりと燻煙するスモークサーモンと違ってレアの状態で仕上げたスモーク鯛は日持ちがしません。
刺身と同様に早めに食べ切り、ほんのりとした薫香を楽しんでください。
<材料>
鯛刺身用サク
ピックル液(醤油、アルコール、ハーブなどを加えたソミュール液)
スモークウッド(サクラ、リンゴ、クルミ、ヒッコリーなど)1/8本
氷
オリーブオイル
<作り方>
1.ピックル液と鯛のサクを密封式のポリ袋に入れ、空気を抜いて口を閉じ、冷蔵庫に一晩入れておきます。
2.流水に1~2時間さらして塩抜きをします。途中で少し切り取って焼き、食べてみて塩加減を確認してください。
3.塩抜きが終わったらキッチンペーパーで水気を拭き、網にのせて風通しのよい涼しい場所(気温が高い場合はキッチンペーパーに包んで冷蔵庫)で1~2時間乾燥させます。
4.小型スモーカーの端に消火して煙が上がったスモークウッドを皿に入れて置き、四隅に氷を置きます。5.煙が充満したら油を塗った網にのせた鯛をセットします。
6.庫内の温度を20℃程度に保ちながら約20分燻煙します。
7.燻煙が終わったらすぐに取り出してオリーブオイルでマリネし、ピッタリとラップを張り付けて冷蔵庫に一晩入れておきます。
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おわりに
白身魚の燻製はとくにスモーク材の特徴がはっきりと出るので最初は癖のないサクラやリンゴから試してみるといいかもしれません。
緑茶は少量加えると魚介類の燻製に驚くほどの効果を発揮してくれますし、ウィスキーの香りづけに欠かせないピートも効果的です。
スモーク材がない場合はダージリンなどの紅茶の茶葉でも代用できます。
ピックル液同様、いろいろ試して自分好みの燻製作りを楽しんでみてください。