昭和のアウトドア事情がすごい!①

『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』作者「ママチャリ」の不定期コラム

日本におけるアウトドアのリーディングメーカー・『モンベル』創業が1975年。昭和の50年。『Coleman』の日本法人設立は1976年で昭和51年。

その頃は「アウトドア」という言葉自体、まだ市民権を得ていませんでしたが、アウトドアそのものがなかったわけではありません。

当時、いち早く「アウトドア」を提唱したのは、モンベルでもColemanでもなく、なんと自動車メーカーである三菱

今では当の三菱にも保存されていないであろう同社発行の小雑誌『アウトドアブック』から、1970〜1980年代初頭のアウトドア事情を覗いてみましょう。

時代がちがえばアウトドアの考え方もちがいます。


RVの雄『パジェロ』登場以前

三菱自動車が、世界に先駆けて、RV(レクレーショナルビークル)『パジェロ』を発売したのは1982年のこと。

最初のパジェロは4ナンバー(商用車)だったというのも、ちょっと驚きですが。それほど日本は、アウトドアとかいったレジャーは「まだまだ」だった、ということです。

パジェロ発売前の1970年代、三菱はコーチ(いわゆる現場作業員輸送車)であったデリカを9人乗りのワゴンとしてフルモデルチェンジ。

この時から、車をキャンプに使う、今で言うところの「オートキャンプ」を提唱していて、そのためのマニュアル本も製作、無料配布しました。

それがアウトドア・ブック・クルマ人間大集合!全118ページ。

キャッチコピーが『僕たちはタウンを捨て、自然を呼吸したい』

文字通りの「アウトドアの走り」。

これを読むと、当時の超ワイルドなアウトドア事情が垣間見えて来ます。

御丁寧にも、巻末にはSF作家の書いた「10年後のアウトドアライフ」(つまり1989年のこと)という予測まで書いてあって、とにかくおもしろい!


アウトドア前夜

そもそも車は、外を走るのですから、インドアということはありません。

けれども、70年代〜80年のモータリゼーションは、あくまで移動手段であり、目的地にはキチンとした宿があって、家→宿→家が車のレジャーだったわけです。

それ以外は、「アウトドア」ではなく、「野宿」などという素敵な呼ばれ方をしていました。

当て所なく旅していた黄門様御一行でさえ、野宿したシーンを見たことがありませんから、よほどのことであったわけです。野宿。

三菱の『アウトドアブック』では、これを堂々と「レジャーである」と言い切っただけでも、たいへんな功績であったと言えます。


水を入れればよい

けれども、イメージとしては、アウトドアとは「男のひとり旅」だったようで、文中のイラストも、ほとんど全て「男ひとり」。

唯一、カノジョらしき人物が登場するのが、「風呂を作って混浴する」カットのみです。

素敵ですね。「風呂を作る」という発想が。

それも、ドラム缶とかでさえなく、「土を掘る」!

冒頭のタイトルだけ転載します。

『風呂に入りたい時は、スコップで穴を掘ればよい』

どうです?ワイルドでしょう?昭和って・・・・。

お湯はどうするのか?と言いますと、『そこに水をいれればよい

それはそうだろうな・・・とは思うのですが。

お湯にするには、調理用に使った「釜戸の石を入れる」のだそうです。これを『焼湯』と言うのだそうですが、現在、ググっても出て来ない所を見ると、やはり「釜戸まわりの石程度では、お湯は沸かない」のだと思われ・・・。

ちなみに、昔、風呂のボイラーが壊れた時に、お湯をヤカンで沸かして入れるということをやったことがありますが、その時は、ヤカン3つ総動員でも風呂をイッパイにするのに5時間かかりました。

カノジョが、混浴のために、それまで待ってくれるかどうかが問題です。

次回は、さらに『アウトドアブック』から、昭和のアウトドアを掘り下げてみたいと思います。

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