高山病と低体温症は2大登山病です

高山病と低体温症は2大登山病です

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山では 高山病 低体温症 になる人が多くいます。いずれも重傷になると死に至る怖い病気です。今回は低体温症について詳しく述べます。

低体温症は山だけでなく、平地でも罹ります。地震や台風、津波などの災害時に屋外に避難して救助を待っている人、避難所で十分な暖房がなく、寒冷環境にいる人などが起こりやすいです。


低体温症事例

ここに低体温症で山で亡くなった痛ましい遭難事故の記録があります。

当時のメディアで大きく取り上げられたニュースです。

北海道トムラウシ山の遭難事故です。登山者8人が低体温症で亡くなりました。

真夏の7月に起きた事故です(2009年7月)。当時の気象は雨が降り、風速15m/sの強風が吹いていました。

荒れた天候でした。こうした天候の中を歩き疲れ、疲労が重なり、ザックの中に防寒着が入ったまま、着ることなく倒れています。

体温が高速で奪われ一気に意識が薄れ、重症から死に至ったと思われます。

もう1つは2012年5月の白馬岳の遭難事故です。

6名が低体温症で亡くなりました。

白馬岳山頂まであと1km手前の稜線上で低体温症による事故です。山の天候は変わり易い典型的な例です。

午前中は晴れていましたが午後になって次第に風雨が強くなり、吹雪となり、風速20m/sの暴風雨となりました。

レイウエアーを着ていてもずぶ濡れになり、強風による防寒も十分できなかったと思われます。装備は標準的でベテランも含まれていました。

山での天候は変わり易いのはよく知っていることですが、どうしても対応が遅れ気味になりがちです。

低体温症は段階的に軽度から重度に進んでいきます。天候が急激に変化して寒くなりますと、低体温症の軽度から重度への移行も速度が速くなります。

上記はこの典型的な例と思われます。


低体温症とは

通常、体の温度、体温は一定に保たれています。それが寒さのため下がってくると、体が震えてきます。

これは体温が下がらないように筋肉が震えて熱が下がらないように防御機能が働いているからです。

心臓、肺、脳などの重要な臓器のある体の真中の温度を深部体温といいます。通常は37℃以上です。

これが35℃以下になった状態を低体温症といいます。

深部体温が35℃になっているかどうかは登山中では測れませんが症状の変化である程度読み取ることができます。

  1. まず震えです。次第に震えがひどくなったら危険信号です。
  2. 歩行が遅くなる。
  3. 岩場などの登りが困難になる。バランスが取れない。
  4. しゃべり方が遅くなり、反応が鈍くなる。
  5. ブツブツ不平を言うようになる。

こうした状態の変化を見逃さないことが重要です。

体温が下がると次第に軽度から重度に移っていきます。

  • 軽度(深部体温35~32℃)震えていて意識はしっかりある。
  • 中度(32~28℃)震えがない。意識混濁。
  • 重度(28~24℃)意識はあるが生命兆候あり。
  • 重度(24~10℃)生命兆候がない、一見すると死。
  •  (10℃以下)低体温症による死。

現場の処置対策

基本は3つ。

    • 避難:風、雨、雪と低温から避難する。岩場の影やテントを張る。
    • 濡れ防止:濡れた衣服は取り換える。ナイフで切り裂いても替える。
    • 保温:体を毛布、寝袋、アルミの断熱シート、ビニールなどで体を包む。

これらに加えて、軽度なら温かい飲み物を与えたり(砂糖水がよい)耐熱性のウォーターボトルを脇に入れたりして体を加温することも有効です。使い捨てカイロはNGです。

重度で心臓が止まってしまったら、救護班がくるまでひたすら心臓マッサージをするしかありません。これで蘇生した人も多くいます。


低体温症にならない予防対策も重要

  • こまめに衣服を交換する。濡れたら交換です。
  • 荒れ模様の天候下では長い休憩は取らない。
  • カロリーのある食事を頻繁にとる。そして水分補給をしっかり、糖質を多く含んだ食べ物がよい。
  • 震えが止まったら即、避難、保温、加温。
  • 天候の変化を早めに把握すること。

低体温症と合わせて、指、鼻、ほお、耳、などの凍傷も要注意です。

しっかりした認識、知識を持って、対応しましょう。


今回のまとめ

  • 高山病と低体温症は2大登山病です
  • 低体温症事例
  • 低体温症とは
  • 現場の処置対策
  • 低体温症にならない予防対策も重要

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