登山の唄アレコレ①

登山の唄アレコレ①

日本には、登山の歌が意外に多く、今でも登山中に歌われることも多いのですが、どうして、山の歌だけが、こんなに歌い継がれているのでしょう?

しかもその起源は、とっても意外だったりします。


どうして有名?

登山の唄と言えば、『山男の唄』『雪山讃歌』『アルプス一万尺』『フニクリ・フニクラ』etc‥

ある世代までは、これらの歌、全てを知っているはずです。

なぜなら、小学校で唱歌として教えたから。

それほど登山が市民権を得ていた、とも言えます。

もともとは、当時流行った「歌声喫茶」で歌われたのがそのルーツ。

街中にある店なのに山の歌が多かったのは、みんなで声を合わせて歌うのに適していたからでしょう。


『雪山讃歌』は溺死の歌?

が。これら登山の歌。よくよく調べると、おかしいものがいっぱいあります。

例えば、今でも有名な『雪山讃歌』は、元はアメリカの『Hh My darling Clementine』で、これに京都大学山岳会が歌詞をつけたものです。

「♪オーマイダーリン、オーマイダーリン‥」の出だしは知っている方も多いはず。

この、クレメンタイン。歌詞は山とはまったくもって関係なく、しかも明るく調子のいいメロディですが、本来の内容は、「少女クレメンタインが川に落ちて溺れてしまったよ〜」、という、なんと「少女溺死事件」の歌。

本来は、バラード調の哀歌なのです。

それがどこをどう経由して、「山の歌」になったのかは謎のまま。

『雪山讃歌』は、6番まであり、結びは

「♪また来る時にも笑っておくれ〜」で終わります。

溺死しちゃってるのに‥‥‥‥。


『アルプス一万尺』でアルペン踊りは踊れない

「♪アルプス一万尺 子ヤギの上で〜(正確には『小槍(こやり)』です)は、さすがにどなたでもご存知でしょう。

これも、元となっているアメリカ民謡『Yankee Doodle(ヤンキー・ドゥドル)』は、山とはまったく関係ナシ。

内容としては、アメリカ兵を馬鹿にした歌?のようなのですが、どういうわけかアメリカでは愛唱されていて、1978年にはコネチカット州の州歌にまでなっています。

これに、日本語の詩をつけたのが、どうやら京都大学山岳部。

またしてもお前らか!京都大学!

つまり「一万尺」あるアルプスは、日本アルプスのことで、「♪小槍の上で」の小槍とは、槍ヶ岳の頂上付近にある岩のこと。「小槍」の標高は3,030mで、ピッタリ一万尺です。

本来の『Yankee Doodle』は2番で終わるのに、日本語の歌詞は29番まであり、歌詞には穂高山も登場。これで日本アルプスであるアリバイは出そろいました。

ちなみに、この小槍。登った方はご存知でしょうが、ロッククライミングでなければ登れず、しかも槍ヶ岳の頂上は非常に狭いため、アルペン踊りを踊るのは不可能。

おそらくですが、ロッククライミング中につらくなった時に、「早く登りきって、小槍でアルペン踊りをおどろうぜ」とか、ジョークで励まし合ったのでしょう。

山の歌が当時よく歌われたのは、「山男」たちのジョークが入っていたからなのです。

そう言えば、2番は、「♪ノミがリュックしょって 富士登山」でしたね。

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