高山病(山酔い)は高所登山にはつきものです

高山病(山酔い)は高所登山にはつきものです写真出典

2014年、2015年の山岳遭難事故のデータを見ると、死亡事故に至った遭難事例は依然として、八ヶ岳、北アルプス、南アルプスが最も多くなっています。

特に滑落による死亡が第1位で圧倒的に高い割合となっています。

次に多い事例は高齢者の登山途中における病気による死亡です。この病気のほとんどは心疾患です。

高山環境では持病の心疾患を持つ人は危険です。つまり虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)の人です。低酸素環境下では、心拍数が上昇して心臓の筋肉を養っている動脈の血流が低下します。発作が起きやすくなるわけです。

また、高血圧や不整脈などの治療薬β―ブロッカーという薬を服用している人は、心拍数があまり上がらないですから、高山病になり易いと言われています。

生活習慣病の多くは、脱水が大敵です。

山は温度が低く乾燥していますから、こまめに水分の補給をしましょう。


山酔いを原因とする心疾患は死亡率が高い

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このように山酔いは心疾患を悪化させる要因となっています。

医師から山行きを止められている人は、山には行かないでしょうが、軽度の人や隠れ心臓病の人が問題です。

登山途中で高山病により、心疾患の症状が出ますと救助の方法がほとんどありません。

山には診療所がありません。

近くに山小屋があっても、そこに臨時診療所があっても、移動ができなければ、死に至ります。


高山病は山だけではありません

高地の環境の特徴は次の4つあります。

  • 低酸素・・・気圧が下がるため酸素が少なくなる。
  • 低温・・・気温が下がります。
  • 脱水・・・高山は乾燥し易い環境です。
  • 低血糖・・・エネルギーを消費するため血液中の糖分が少なくなります。

高山でのトラブルには、この4つの環境の特徴を知って、対応対処することです。

これは登山だけではありません。海外の高地の都市に旅行する時も同じことです。

世界には標高1,000mを超えるような都市がたくさんあります。

ボリビアのLapazは標高3,000mを超える都市です。

アメリカのデンパーは標高1,600mですし、メキシコシティーは2,300mあります。

入国してしばらくは高山病の症状に苦しむ人が多いでしょう。


高山病の初期症状は山酔いです

山酔いは高山病の1つですが、高山病の初期症状です。

頭痛、食欲不振、めまい、胸やけ、吐き気、嘔吐などの症状があります。

これは深酒した時の二日酔いの症状と全く同じです。

ですから山酔い、という名前がついたのでしょう。

高山病は段階的に3つに分けられます。

  • 山酔い・・・前項の通りですが、標高1,000mから1,200mで発症する人もおり、人によって個人差が大きいです。山酔いの症状は遅く出てきます。一般的に登山開始後5~6時間経ってから発症する人が多いです。高所の登山口でなるべく長く高所順応した人や、ゆっくり登って高所順応しながら登ると、高山病にかかりにくいようです。
  • 高地肺浮腫・・・これは山酔いがひどくなった状態です。高地肺浮腫は中枢神経障害、精神状態が変調をきたす病気です。山酔いの状態に加えて、倦怠感が強くなり、考えがまとまらなくて、真っすぐ歩く事ができなくなり、登山道では極めて危険な状態となります。即刻高度を下げる必要があります。
  • 高地肺水腫・・・最も致死的高地障害です。素早い下山と酸素投与により回復します。

早期診断が条件です。肺水腫は単独で起きたり、肺浮腫と一緒に起きます。

息切れが激しくなり、安静にしていても息切れがひどくなります。

対処法はこれも即刻、高度の低いところに移動させることです。放置すると死に至ります。


子供は高山病に罹りやすい

富士山登山では子供を連れたファミリー登山を時々見かけます。

一般的に子供は成人よりも高山病にかかりやすいようです。

小さい子供は高山病にかかっていても、その説明や苦しみが上手に訴えられません。

大人は常に注意深く観察しながら登りましょう。

異変に気が付いたら、登山を即刻中止し、休ませて、それでも回復しなかったら、なるべく早く下山を決定しましょう。


高山病の予防と治療

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基本的に高山病予防はゆとりのある登山計画を立てることです。高齢者の弾丸登山は自殺行為です。

軽度の心臓病や呼吸不全のある人は事前に主治医と相談してください。リスクをあまく見ると取り返しのつかないことになります。

高山病の予防及び治療に効く薬があります。

  • アセタゾラミド(商品名 ダイアモックス:登山前に服用すれば山酔いが防止でき、病状が現れてからでも服用すれば山酔いが改善できる。
  • デキサメタゾン(副腎皮質ホルモン剤:山酔いと高地肺浮腫の予防と治療に効果があります。但し服用しているときだけ効果があります。
  • ニフェジビン:高地肺水腫を起こしやすい人に予防と治療に効果があります。

但し、これらの薬は一般の薬局では購入できません。医師に相談して処方してもらってください。保険の適用はありません。


今回のまとめ

  • 高山病(山酔い)は高所登山にはつきものです
  • 山酔いを原因とする心疾患は死亡率が高い
  • 高山病は山だけではありません
  • 高山病の初期症状は山酔いです
  • 子供は高山病に罹りやすい
  • 高山病の予防と治療
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